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コラム

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2020観光産業の対策について

経済活動全般が厳しい状況に入る中、旅行業は一般人から見ても厳しいのがわかる業種の一つではないでしょうか。
2020年1月までは、海外からの旅行客(インバウンド)が年々増えていき、海外からの顧客や団体を相手にした観光業は大きな発展と利益を得ておりました。
それが、ウイルスにより一変する。
インバウンドだけに留まらず、海外旅行や、現地手配ツアー全てに大きな打撃を与えました。
今回はこの状況の中、私見ではありますが問合せやご相談の多い今後の観光産業について記載します。

観光産業の変革の時

数年前から始まってきたことではあるが、個人旅行客が増え、ツアーと言った団体旅行が減っていっている事は、今回の騒動以前からの課題で旅行業の収益は下降曲線にあります。
インターネットの発展によりそれぞれのインフラ(交通、宿、観光地)を持っている会社が自分たちで宣伝出来る様になったからです。一定の宣伝費を持っている航空会社などは最たるもので、仲介を生業とする一般旅行業はコミッションの減少など苦しい状況に追い込まれてきたのです。ここで一つ断りを入れておきますが、総合旅行会社(大手の旅行会社)は提供するサービス、連結子会社なども含めて規模感が違い部門を総合的に補うことができます。また観光シーズンでは無い時でも顧客を持っているので集客ができ、インフラ各社に対しても、ある一定は対等に交渉ができていますので、一緒にはできないです。
しかし、大手も厳しい状況に変わりはありませんが、ここでは主に中小旅行会社、これから旅行業を起業する方々の規模感で話をしていきたいと思います。

復活の国内旅行

今後、早い段階で国内旅行の需要は大きく上がります。国も旅行支援金等の対策を打つと思いますが、まず抑制された国民感情が、日帰り、国内旅行に向かい、観光地の一時的なV字回復につながります。自粛要請が解かれ1ヶ月くらいでこの流れがきます。
インバウンドを主に相手にしていた宿も一時的には国内の需要が入りますので、そもそもが経営悪化していたところ以外は順調に回復すると思います。理由としては、インバウンド事業が占める割合と海外旅行の占める割合と国内旅行の割合を比べた場合、国内旅行の割合が圧倒的に大きいからです。
2019年度の国内旅行者数は2億8000万人、インバウンドは3000万人、海外旅行者は2000万人ですから、
日本の観光事業は国内旅行が支えているわけでです。
海外旅行に行っていた2000万人も国内旅行の上乗せに入ってきますので、国内旅行をしっかり取り組めば、特需が生まれるはずです。

安心安全の担保

個人旅行に対し、どのようにして関わっていくかが今後のポイントになるでしょう。
やはり、誰だかわからない人たちと同じバスに乗り込まなければならない団体旅行は少し時間がかかりますし、今後対策を考えなければ、旅行会社の信用にも関わってきますので結構難しい選択が迫られます。
一方、団体でも幹事さんが居てとか、同じコミュニティで作られた団体旅行は、早い段階で復活するのでは無いかと思います。今回のウイルスは、発祥地を分散させないことが今後の対策になりますので、家族や、地域単位で動くものは比較的早い段階でストレスが無くなって、活発化するのでは無いかと思います。

個人旅行への対応

先にも述べましたが、1番は個人旅行者を如何に抱え込むかという事になると思いますので、旅行会社は転換期を加速化させる必要があります。
個人旅行が台頭すると、一般的に旅行会社を通さない旅行が増えます。特に国内旅行は自分たちで旅程を作れる分、顕著に出てくるでしょう。一方で宿泊や航空券などのポータルサイトを運営している旅行会社や、準ずるサイトのみを運営している会社は既に個人顧客を相手にしているので、今後とも伸びが期待できます。
宿泊施設やお土産屋、観光地もこれまでのような戦略では衰退する可能性があります。バスを期待して運営しているところは、如何に個人顧客に3つの密など安全に配慮した対策をわかりやすく、顧客に楽しんでもらう旅行が必要になるかと思います。

まとめ

今後、中小の旅行会社の中には非常に厳しい選択を迫られる会社もあるかと思います。
その際は、ぜひ自身の会社の強みをもう一度考え直し、新しい発想との融合を行ってください。どの業種もそうですが、昭和からずっと同じビジネスモデルで成功している業種は数少ないです。特に、仲介を生業としている旅行業のような業種は形を変えていかなければなりません。自身の強みを生かした取り組みを作って参りましょう。

 

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