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コラム

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歴史から学ぶ会社とは

会社が創設された時期は16世紀にも遡り、1600年エリザベス1世が東インド会社に特許状を与えたことが始まりと言われています。

この時代、日本はどうだったかというと、ちょうど関ヶ原の戦いがあったのが1600年にあたります。世界では会社の歴史が始まる時、日本では豊臣秀吉亡き後、豊臣家の内乱、徳川家康の反旗、石田三成の復権を狙った関ヶ原の合戦が徳川家康と石田三成の両軍の間で行われたわけです。
結果は、半日足らずの合戦の後、東軍徳川家が勝利したことは周知のことですが、この短い戦いの前哨戦には多くの情報戦があり、それに勝利したのが東軍とも言えます、近代経営は情報なくしては戦いになりませんので、この辺りからもこの時代から既に、血を流すことを最小限に考え、リスクをマネージメントしていた徳川家康の凄さがわかります。
世界でも会社ができたからと言って今みたいな時代では決してなく、国同士の争いが絶えなかった時代でしたから、日本と同じような戦乱の世の中だったわけです。しかし大きく違ったのは何か、それは民の発想の自由度ではないでしょうか。
エリザベス一世が特許状を与えたわけですが、「商業活動の自由を与える権利」だったということが世界と日本が大きく違いがあったことだと思います。

そして、その2年後オランダ東インド会社が株式をアムステルダム証券取引所で発行して船員を雇う貿易を築き恒常的な株式の取引を前提とした株式会社の形を作ったとされています。

日本では、亀山社中、兵庫商社が株式会社の始まりだと言われていますが、文献を見ますと、亀山社中が1865年ごろ、兵庫商社が1867年ごろと言われております。
どちらが先かには、賛否両論ありますが世界から260年後の出来事だったことは認識しなければなりません。
個人的には亀山社中が、中小企業を始めとした近代日本の会社組織の礎を築いたのは間違いないと思っています。
海外からの文化が入りやすい環境にあった長崎で、坂本龍馬を始めとする面々はグラバーなど諸外国の貿易商や宣教師に大いに影響を受けたことでしょう。そして士農工商の時代に社名に「社中」と入れ、仲間、結社を意味しているところが実に面白いですし、時代に対する思いのようなものが感じられます。

私自身もサラリーマン時代、起業に悩み向かったのが長崎県の亀山社中でした。

ここに行ったから教えてくれるわけではないのですが、新しい事をする際に是非とも感じてみたい場所でした。
もちろん、ドラマのように語りかけてくれるわけではありあませんが、清々しい思いでサラリーマンを辞めることを決心したのを覚えています。

このように、世界から遅れること260年後に株式会社の原型とも言える会社が設立されていくわけですが、実際に現在の形でもある公に株式を取引できる証券取引所が出来たのが、ここからさらに10年後の1878年に東京株式取引所が設立され、第一国立銀行(現みずほ銀行)が上場します。

日本中が転換を諸外国から学ぶ中、東証、第一国立銀行ともにその上場に活躍したのが渋沢栄一です。
渋沢栄一の功績は、この他にも各業種のインフラ整備や企業設立に関わっていくのですが、一番かっこいいのはここまで地位や権力を持っていたにもかかわらず財閥を作らなかったことで、公益を一番に考える人物像が見えてきますね。
このように、多くの過去の偉人たちが世界と日本の距離を縮め、現在では世界の日本になっていったわけです。

 

昔の1年が、1ヶ月になったような感覚を覚えるのは私だけでしょうか。

これからの時代は、世界との距離が近くなった分より一層、大局を見る力や発想力をどう具現化するのかなど、新たなステージに立っていると思います。

これほど、大企業と言われる会社が倒産、会社更生、吸収合併になる現状を見て思うのは、やはり働く人の意識の低さが一因ではないかと思います。もちろんそこには会社側の責任もあるわけですが、会社が倒産するまで悪化した会社の経営状況が平社員でも気づかないなどという会社は、ある意味なるべくしてなったというしかありません。また社員が自分は歯車の一つだからと思わせる経営は、これもまた非常に危険だと言っても過言ではないでしょう。
もちろん、1社員が辞めても会社が大きく揺らぐことはありません。しかし社員が一定の線を引き、自分の持ち場はここまでですとバリアを張ってしまっていては、社益に影響を及ぼすだけでなく実は社員にとっても良くありません。
私が見てきた会社でもこの事案は経営陣が考えるとだからと線引きしている会社は発展の速度が非常に遅かったのを覚えています。
経営陣と社員の線引きなら未だ良い方ですが、部署同士の押し付け合いが多い会社はいくら大きい会社でも危険信号です。自分の与えられた仕事だけやっていれば良いと思う社員が多ければ多いほど危ないわけです。
改善するためには、会社の環境も変えなければなりませんし、社員の意識改革もしなければなりませんので、ここまで悪化する前に会社のあるべき姿、先人たちが築いた組織の形に学ぶのも必要ではないでしょうか。

100%成功の経営はありませんが、それに近づく企業努力をすることこそが、会社を繁栄、発展に持ち上げるものです。そして今こそスピーディーに動ける中小企業こそが発展するチャンスだと思います。

現にアップル、グーグル、ヤフー、ファイスブック、マイクロソフトなどといった会社は、元はベンチャー企業であり1代でこの地位を築いています。アメリカにはシリコンバレーという投資家が集まりやすい環境があることは間違いないですが、そこで働く人々の熱意や発想の具現化をしていることは見習うべきことだと思います。
日本の先人たちが諸外国に学んだように、我々の時代もあらゆるところから情報を吸収し、前に進む必要があります。
目の前の課題を取り組みつつ、新しい取り組みをいち早くやることが、歴史から学び、自身の会社を強くしていくことだと思います。

 

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